本書は、平成29年(2017)6月から平成30年(2018)12月まで、読売新聞福岡県版に連載した「維新秘話福岡」59話に、さらに取材を進めて書き足したものです。新聞媒体では、文字数、写真点数の制限がありましたが、単行本ということで文字数を気にせず、写真点数も全部で238点と大幅に内容を充実させています。
明治維新史といえば、薩摩、長州、土佐、肥前の歴史、西郷隆盛、高杉晋作、坂本龍馬という維新のヒーローの評伝を読んでおけば理解できると思っている方がほとんどです。そんな中、福岡県に限定しての維新の話など、多少はあるにしても、そんなに多くはないのではと疑念を抱かれた方がいたのも確かです。今でこそ、「維新の策源地・太宰府」という言葉が定着したものの、あの学問の神様・太宰府天満宮と明治維新とがスムースにつながらないという話はよく耳にしました。本書は、そんな先入観を取り払い、全国に誇れる維新史が福岡県にあることを知っていただきたいと思い執筆したものです。
本書では、藩としては、福岡藩、久留米藩、柳川藩、小倉藩に、領域としては筑前、筑後、豊前という分類をしています。心情的には、秋月藩、豊津藩(旧小倉藩)をどのようにするかが悩ましいところでしたが、現代人に理解しやすい区分にしていることをご理解いただきたいと思います。
また、従来、顧みられることの無かった姫島、玄界島、能古島、志賀島、筑前大島、相島という離島の維新史を取り上げているのも特徴となっています。
まだまだ、維新に関する史跡、秘話が福岡県には多数遺っており、不完全であるのも十分に承知しています。そこで、巻末に参考文献、主要人名録、略年表を付けて、読者も足を運んで調査が進められるようにしています。
実は、この維新史を調べている最中、日本史から漏れている重大な史実を発見しました。現在、その執筆にとりかかっていますが、皆様方も、本書から新しい史実を発見していただきたいと願っています。
浦辺 登
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